The BLACK CURRENT2001
  Okinawa to Kagoshima Sea Kayaking Journey
Paddler NAOMI NOMOTO 

沖縄→鹿児島・単独シーカヤック遠征 
計画書

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2001年の旅日記へ。

報告書

遠征に使用する装備品


 
正面はトカラ列島口之島
2000年9月18日
企画
かごしまカヤックス

はじめに
 2000年6月17日、沖縄県・宜野湾市をシーカヤックで単独で北上開始。
 単独で鹿児島市磯海岸を目指した。
 6月21日には与論島に到着(鹿児島県入り)
 その後10個もの台風の影響をうけながらも9月18日にはトカラ列島口之島に到着する。
 体調の調整をしつつ天候の回復を待つが、季節風は北からの風「青北風」(あおぎた)に変り、向かい風となる。
 黒潮も蛇行が北西からの流れになり、航海者にとって大きな障害になっていた。
 あらためて10月4日と22日に屋久島を目指すが、強い北よりの風と大きな波で到着する事はできなかった。
 今年こそ念願のゴールを目指して、鹿児島方面の梅雨が明ける2001年7月末より、残りの区間を単独で挑戦する。
計画の動機
 冬、坊津の海をシーカヤックで漕いだとき、水温の温かさと、珊瑚や熱帯の魚の多さにおどろいた。
 もちろん黒潮の事は知っていたが海水の温かさがもたらす恵みや、黒潮が運ぶ文化については、余り知らないことに気づいた。
 すぐれた外洋航海術を持つポリネシアの民のルーツは、ハヤト(鹿児島の古くからの民族)やアイヌ民族につながる縄文人ではないかと言われている。
 鹿児島弁で魚を「いお」と発音するが、ポリネシア海域でも「イオ」と発音する。その他でもたくさんの発音や意味も同じ言葉が残っており、食文化でも生で魚を食べる風習、そして塩辛や虫を食用にするなど数々の共通点がある。
 また、3000年から5000年ほど昔、南太平洋を航海していたと言われる「ラピュタ人」は縄文人と オーストラリアのアボリジニの混血した民俗で、ポリネシアで見つかった縄文土器に似た土器も彼らの偉大なる航海術によりもたらされたとの説もある。
 鹿児島でも暮らしていた元民俗の縄文人やハヤト。彼らも黒潮に乗り、風をつかまえ、琉球弧を経てフィリピンからニューギニア、果ては南米やハワイまでその航海は続いたのであろう。
 我が祖先の歩んできた道を、彼らと同じように黒潮に乗って、一人の力で航海を行い、先人の知恵や残っている風習、文化を体感してみたいと考えた。

目的
 ◎ トカラ列島口の島より、単独のシーカヤックで、鹿児島県鹿児島市磯海水浴場まで島伝いに漕ぐ。
 ◎ 屋久島や硫黄島などの島々に立ち寄りそれぞれの島を海と陸から探索しつつ北上する。
 ◎ 南日本放送(MBC)との番組制作や、モバイルと携帯電話を使い、ホームページの更新を行う。
 
名称 ブラックカレント2001
 
コース
 トカラ列島口之島・屋久島・口の永良部島・硫黄島・佐多岬・鹿児島市まで約320km
 
方法
 1人乗りシーカヤックにキャンプ用具一式を積み込み、一日40〜60kmを漕ぎ進む。
 
航海者  
    野元尚巳 1958年2月26日 鹿児島市生まれ
 18歳より自転車選手(ロード.トラック)として国体、九州地域などに出場。
 1985年頃からトライアスロンを始める。
 第一回徳之島大会優勝をはじめ、宮古島・アイアンマンJAPAN・広島・指宿など50レース以上出場。
 指宿トライアスロンや霧島サイクルジャンボー。徳之島トライアスロンの企画にも参加。
 1996年から全日本マウンテンバイク大会にも参戦。
 1998年3月経営にたずさわっていた(有)向江青果を退社。
 現在、鹿児島にてシーカヤックによるツアー“かごしまカヤックス”を主催。
 国内外の遠征等の講演活動・野外遊びの企画・ITを使った鹿児島の野外活動の報告
 等活動中。
 昨年、社団法人鹿児島青年会議所の提言書「未来軌道21」に、海のまちかごしまとしての提言を発表。
 随筆かごしま誌に「観光と遊び心について」を寄稿する。
 南日本放送HPで「JustMyLife」にレギュラーコメンテーターとして参加。
 鹿児島を新たな目線で見つめようと過激アウトドア団体「ものずき団」結成。
 
 1978年自転車で西日本一周
 1980年冬から夏にかけて北海道自転車旅行
 1981年オーストラリア自転車旅行。
 1990年台湾自転車旅行。
 1998年ベーリング海シーカヤック遠征。
 1999年アコンカグア登山(5.400m到達)。
 1999年5〜8月アラスカ・ジュノーからバンクーバーまでシーカヤック遠征「BAIDARKA1999」成功。
 2000年6〜10月沖縄〜鹿児島シーカヤック遠征「The Black Curren2000」を行う。

後援(順不順)    
  MBC南日本放送・南日本新聞社・三島村役場・佐多町役場・大根占町役場・上屋久町役場・ 屋久町役場・鹿屋市役所・桜島町役場・鹿児島県観光連盟・鹿児島県カヌー協会
協賛
  ウオーターフィールドカヤックス・デナリ・
協力    
    きょら・アウトドアステーション・鹿児島自然観察会・くすの木自然館・瀬戸内シーカヤッククラブ
    ・ID外語学院・フューチャーマジック

日程

        区間   距離    日時
      口之島〜屋久島      60km  7月27日
        栗生〜安房  30km      30日
        安房〜宮之浦  20km    8月1日
      宮之浦〜永田  20km      3日
        永田〜口永良部島  26km      5日
      口永良部〜硫黄島  42km      8日
       硫黄島〜竹島  13km     11日
        竹島〜伊座敷  37km     13日
       伊座敷〜浜田海水浴場  37km     14日
        浜田〜磯海水浴場   42km     15日
          合計(約) 327km     20日間

概要
 沖縄県那覇市より鹿児島県鹿児島市まで、直線距離で約650km。その間に奄美大島をはじめとして数十の島が点在する。
 その海は流氷を除いて珊瑚礁の海・断崖や砂浜の海岸・そして錦江湾などの内湾など、およそ日本のほとんどの海岸模様が存在する。

 年により変化するが、奄美大島からトカラ列島にかけて、黒潮が横切つており、その流れは時として5ノットを越えるスピードである。
 水温は30℃近くにもなり、海洋生物を初め、南方よりの文化、数々の漂着物など、さまざまな恩恵を届けてくれる。

 例年、梅雨明けとともに季節風が収まり、しばらく天候も安定する。その梅雨明けを追いかけるように沖縄を出発し、島々に立ち寄りながらゴール地点の鹿児島市を目指す。
 台風も発生すると思われるが、海や風の状態を確かめながら航行する。
 
参考書籍
 奄美もっと知りたい           神谷 裕司      南方新社
 トカラ 海と人と                          南日本新聞社
 古代日本の航海術           茂在 寅男      小学館ライブラリー
 日本人の冒険と探検          長澤 和俊      白水社
 われら黒潮民族                          南日本新聞社
 環太平洋インナーネット紀行      星川 淳       NTT出版
 エコロジーって何だろう          星川 淳       ダイヤモンド社
 吐火羅国                  稲垣 尚友      八重岳書房
 シマダス                              (財)日本離島センター
 吐か喇                   横尾 央       山と渓谷社
 聖なる島 奄美              西田テル子      星企画
 海を越えた縄文人             テレビ東京      祥伝社
 吐か喇へ                  清水 哲男      渕上印刷社
 ガイアの時代                J・ラブロック     工作舎
 隼人のはなし               武田 新        じゃらんじゃらん出版

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