ビニールハウスで
海水を蒸発させて
天然塩を作っていた。

蚕棚のようなトレーに
海水を入れ蒸発させる
中の温度は60度
近くになっている。

8月24日 晴れ 宝島


昨夜は体の節々が痛む。
完全に風邪だ、強引に食事を押し込みビタミン剤を飲んで寝る。
目を覚ますとだいぶ良くなっていた。
しかし今日は休養する事にする。
海の状態は波は収まってきたが風向きが悪く漕ぎ出せない。
明日の午後からも風が強くなるそうだ。
またしばらく停滞だ。
昼過ぎフェリーが入港したので見に行く。
別に何が有るわけではないが船が島に来るのはうれしい。
人や物の流れがそこにあるわけだし、新たな何かが有るような気がしてつい行ってしまう。
役場出張所で本を読み過ごす。
8月23日 晴れ 宝島


昨夜は温泉に入りに行く。
ここは冷泉を暖めているとのこと、茶色のお湯のかなり塩分の強い温泉だ。
入浴後、郵便局長の松下さんに招かれる。
サワラとコブシメを肴にビールをいただく。
キャンプ場に帰ると地元の方たちが宴会をやっていた。
さっさと仲間に入る。

今日は島を歩いて一周する。
東側にある荒木崎灯台に行き、苦しんだ海上を見下ろしてみる。
あのときは苦しかったな。
強い日差しの中をてくてく歩いて回るが気分が悪くなってきた。
少し風邪気味のようだ、キャンプ場でうだうだ過ごす。
8月22日 晴れ 宝島


昨夜は蚊の攻撃で眠れなかった。
海上はいつもと違う方向に波が立っている。
やはり台風10号の影響が出てきている。
これから更に波が高くなるそうだ。
昼過ぎフェリー「トカラ」が着く。
離島で定期船は人を運ぶだけではなく、かなりの部分の生命線になっている。
昔は島そのもので完結していたのだろうが、だんだん色々な物資が供給されないと生活しづらくなっている。
今日は温泉が沸く日だ。
午後5時半から9時まで入れる。
今日の一番の仕事のような気がする。

フェリーが着くと島に活気があふれ出す。


キャンプ場に鯨の骨があった。

8月21日 晴れ 宝島


台風10号が発生し奄美方面に向かいつつある。
海上は波が高くなってくる。
今度も停滞になりそうだ。
しばらくは天気は良さそうなのでキャンプ場に移動する。
シャワーもあり快適な生活が送れそうだ。
宝島最高点のイマキラに登る。
のんびり一時間ぐらいで着く。
今日は視界が良く南は横当島から奄美大島まで、北の方は遠く中之島まで見えた。
今まで漕いできた所を振り返ると「自分をほめてあげたい」とどこかで聞いた言葉を思い出す。
これから行く島々を見ると、昨日までは絶望的に見えた海峡が「何とかなる」と自信がわいてくる。
しかし厳しく難しい事には変わりがない。
もう少し休養してこれからの行程にそなえよう。
8月20日 雨後晴れ 宝島


まさに爆睡だった。
朝、朝食に起こされるまで眠り続けた。
朝食後もまた眠る。
昼食に起こされ食べた後また布団でくだくだする。
2時頃からやっと動きだし濡れたままのテントやシュラフを干す。
少し散歩をしてみる。
この島は人口約150人。
小中学校があり月・水・金は温泉に入れる。
かなりしっかりした温泉だ、入浴料は島外200円、島内ただ。
売店があり、am7〜8時pm5〜7時半の間開店している。
海水を煮詰めた天然塩を製造している。
昨夜は焼き肉にこの塩をふりかけ食べた。
今夜も「トカラ荘」に泊まる。
ここのご主人も「宝島の塩」の名前の天然塩を作っている。

港の岸壁に描かれた壁画

8月19日 晴れ   横当島〜宝島
本日航行 50km


明け方激しい雨がテントをたたく。
このまま無人島のこの島にはいれない、疲れは取れてはいないが出発する。
追い風に乗りぐんぐん進む。
しかしだんだん追い波(後ろから来る波、カヤックを横向きにするいやな波)がカヤックを襲い、何回か転覆しそうになる。
それでも何とか進み、コースも宝島の西を目指す。
しかし宝島まで数キロの地点から東に激しく流される。
何とかしようと漕ぐがどんどん島から離れて行く。
救助を呼ぼうかと考えるが、とにかく力の限り漕ぐ。
少しづつだが島に近づいて来た。
出発して8時間後、宝島に到着できた。
上陸すると体中の力が抜け、ほっとして涙が出てきた。
さすがに野営する気力もなく、民宿に泊まる。

横当島にて

8月18日 晴れ 屋鈍〜横当島
本日航行 70km


am5:30保枝さん森さんらに見送られ屋鈍を出発する。
7月22日以来の航行になる。
肩にストロボライトを付け、コンパスはケミホタルで照らす。
真っ暗な中を漕ぐが6時前には空もしらじんできた。
日の出とともに睡魔が襲う。
そのうち調子も出るだろうとこぎ進むが、どうも体調が良くない。
そのうち鳥肌がたち、寒さが襲ってきた。
しかしどうすることもできない、そのまま進むしかない。
海上は視界が悪く、なかなか横当島が見えない。
ラスト20kmぐらいになりやっとぼんやり見えてきた。
だが海上が少し荒れだしカヤックが東の方向に流され出す。
GPSで確認しているはずなのに、頭がぼんやりして修正するのを忘れてしまう。
大きくコースがずれたきた。
横当島まで数キロの地点からほとんど西に漕ぎ、ようやく11時間半後に上陸する。
この島は火山島で、海が見えなければ霧島の高千穂のようだ。
本当に疲れた。
少し島内を散策するが足にも力が入らない。
明日も6時には漕がなくてはならない。
テントを設営し就寝する。

スープを作り、二日酔いの頭をさます。

8月17日 曇り後晴れ 屋鈍


昨夜は保枝さん宅で遅くまで飲んでいた。
きっちり二日酔いだ、スープを作り体に勝をいれる。
空は曇っている。
天気予報を聞くと少し回復してきている、明日の午後が一番いいらしい。
しかし天気の周期が短く好天も長続きはしないようだ。
明日18日にトカラに向かうことにする。
今回の好天にかけてみる。
保枝さん宅にお昼もおじゃましてご飯をごちそうになる。
気さくな保枝さん、本当に有り難うございます。
海上保安庁に行動予定の連絡を行う。


屋鈍の海岸で松元さんたちにビールをごちそうになる。

屋鈍在住の保枝さん宅にてごちそうになる。
8月16日 晴れ時々曇り 屋鈍


穏やかな朝を迎えた。
しかし上空の雲は早く天候が下りつつあるのを予感する。
ここ屋鈍のキャンプ場は日除けがない。
どこかいいところを探してカヤックで漕ぎ出す。
しかし見つからず屋鈍に戻る。
ここで松元さんらと出会いビールをいただきながら懇談する。
その後、保枝さんの家で回線を使わせていただき日記を更新する。
保枝さん宅では夕食やお風呂をちょうだいする。 ここでも新たな出会いが会った。 さっきまで天候不良で落ち込んでいたのだが、保枝さんたちとの出会いで気持ちがわくわくする。 旅って面白いな。


久しぶりの古仁屋

8月15日 古仁屋 晴れ


先月の22日に奄美を離れて久しぶりに帰ってきた。
これから航海の中断している屋鈍に向かう。
16日に横当島に向かう予定だったが、低気圧の影響を受けるため17日に延期する。
ここまで粘ったのだからどうってことない。
じっくりチャンスをねらう。
これからしばらくはメールのやりとりの出来ない地帯に行きますので、数日後から日記の更新になります。
何らかの連絡方法がとれれば状況の報告の日記更新は行われます。
順調ならば18日に宝島に着きますので日記の更新が出来ると思います。


奄美大島に向けフェリーに乗り込む。

8月14日 晴れ 鹿児島市


台風は北の方へ去っていった。
鹿児島や奄美方面はやっと天候が回復してきた。
午前中はランニングを行う。
パソコンで気象情報や海洋情報を見るといい方向に向かっている。
MBCの気象予報士の方に、南の方面の低気圧情報を聞いてみるが今のところ問題はないようだ。
予定通り奄美大島に向かうことにする。

自然界で行動するとき「天気が悪い」のは雨が降っていることはあまり関係ない。
問題は風が強いかである。
もちろん雨と風が伴うときもあるが、雨が降るだけなら行動が出来る。
しかし風が強いと行動が出来なかったり危険であったりする。
また風が波を作り出す。
こらからはいい風が吹いてほしい。