John Muir Trail

 

2016年6月

計画書

 

 

◎はじめに

ジョン・ミューア・トレイル(以下JMT)の事は10代の頃に見たアメリカンカルチャーを掲載した雑誌で見た覚えがある。当時はヘビーデューティー(heavy-duty)と言う言葉と共に自然回帰がもてはやされていた。アウターフレームのバックパックにシュラフやシェラカップをぶら下げて、ヨセミテを歩く姿がかっこよく、羨ましく見えた。私も当時のGパンセンターマエムラで購入。霧島や硫黄島を歩く。だがこのアウターフレームのバックパックは木々の多い日本には向かない代物だった。

時が流れ2005年にアラスカのグレッシャーベイをシーカヤックで遠征した。そこの折り返し地点にある氷河がジョン・ミューア・グレッヤーだった。世界で2つしかないジョン・ミューアの名を冠したもう一つのJMTへは当然行くべきだと考えていた。

そして日本のトレイルと言えば加藤則芳氏だ。数年前に加藤氏と知り合いになる。私が係る九州自然歩道の事が中心だが、様々な自然や国立公園の事などを語り合った。その後、加藤氏は難病になる。出来るだけ話しを聞きたいと横浜のご自宅へもお邪魔した。書斎でたくさんの地図や装備に囲まれながら加藤氏の思いや考えを心に入れ込む。そして勧められたカナダのウエスト・コースト・トレイル(West Coast Trail)を2013年に歩く。{次はJMTだ!」そう思い計画した。

 

◎ジョン・ミューア・トレイル(John Muir Trail

 カリフォルニア州内を、ヨセミテ・ハッピーアイル(Happy Isles)からマウント・ホイットニー(Mt Whitney)まで、340キロメートルにわたって縦走する。標高はハッピーアイル(1220m)をスタートし、3000mオーバーのピークや峠を13座。フォレスター峠(4023m)などを経てマウントホイットニー(4418m)になる。

 アメリカにおける「自然保護の父」と呼ばれるナチュラリスト、ジョン・ミューアにちなんで命名されている。

 

◎目的

 JMTの全行程を歩き、出来る範囲で様々な自然や生き物を撮影する。ヨセミテ、セコイア国立公園などの管理などを体で感じてくる。

◎期間

 201664日〜626日(予備日5日ほど)

*日本発531日  帰国76

◎方法。ルート

 行のフライト。鹿児島〜羽田〜サンフランシスコ 

 サンフランシスコよりマーセド(Merced)までアムトラック。ヨセミテまではバス。

 バックパッカーテントサイトに泊りながらパーミットを取得する。

 

日程

出発

標高m

到着

行程(km

ヘッドからの距離km

1日目

 Happy Isles

1230

Cloudsrest Junction

11

11

2日目

Cloudsrest Junction

2130

Cathedral Lake

17

28

3日目

Cathedral Lake

2896

Tuolumne Meadows

11

38

4日目

Tuolumne Meadows

2652

Donohue Pass登り口

19

59

5日目

Donohue Pass登り口

 

Thousand Island Lake

10

69

6日目

Thousand Island Lake

3002

Red's Meadow

23

92

7日目

Red's Meadow

2316

 休息日

簡単なお店

8日目

Red's Meadow

2316

Purple Lake

22

114

9日目

Purple Lake

3018

Vermilion Valley Resort分岐

26

135

10日目

Vermilion Valley Resort

2316

 休息日

簡単なレストラン

11日目

Vermilion Valley Resort

2316

Bear Creek Trail

20

150

12日目

Bear Creek Trail

2960

Senger Creek Crossing

17

167

13日目

Senger Creek Crossing

2930

McClure Creek  RS

21

188

14日目

McClure Creek  RS

3186

Starr Camp

23

211

15日目

Starr Camp

3227

Lower Palisade Lake outlet

23

234

16日目

Lower Palisade Lake outlet

3678

Mather Pass

22

256

17日目

Mather Pass

3145

Sawmill Pass Junction

22

278

18日目

Sawmill Pass Junction

3271

Kearsage Pass Junction

23

301

19日目

Kearsage Pass Junction

3360

Lake South America Junction

23

324

20日目

Lake South America Junction

3253

Wright Creek

13

337

21日目

Wright Creek

4418

Trail Crest JCT

21

358

22日目

Trail Crest JCT

4115

Mt Whitney

3

341

2548

Whitney Portal

13

 

予備日5日  あくまでも目安です。 実際歩くのは380kmほど。

 

◎想定される危険

 陸上ではブラックベアやクーガーの生息地であり、キャンプ地(所定の場所以外は自由)はそれらの動物の生息地入る事になる。食材の管理には十分注意する。

食事等は必ず水辺から30メートル離れたところで行い、終わればすぐに片付け、食糧を入れたフードキャニスターは離れた所に置く(熊が咥えてゆく可能性があるのでロープなどを付けてはいけない)。

 ベアスプレーとベアベルは必ず身に着けて行動する。

 飲み水は必ず沸騰させるか(標高が高いので沸騰時間を長めにする)浄水器を通す。

 蚊の大量発生が予想されるので、強力な虫除けやネットを使用する。

 

◎予算(大まかな予算です)

 日本(鹿児島〜羽田経由)、アメリカ(サンフランシスコ)往復\150000

 サンフランシスコ〜ヨセミテまでがUS$100程度か?

 Whitney Portal〜サンフランシスコまでがUS$200程度か?

 ホテル代6泊程度 US$800〜$1000

 入園登録料US$5

 食費、雑費US$500

 合計で\350.000程度。(予備費も\50.000程度必要かも)

 

◎参考

 加藤則芳著「ジョン・ミューア・トレイルを行く」

 ジョン・ミューア・トレイルかわら版+ http://jmt-hiker.info/

 John Muir Trailの歩き方 2013 http://jmtnoarukikata2013.tumblr.com/

 

◎装備

 

T. 装備

装備名

備考

重量 (g)

コッフェル&バーナー 

JetBoil チタン 1L カップはスノーピーク

307

ライター 2個

日本から持参

50

虫除けスプレー。蚊取り線香

スプレー現地購入。小型の線香6個

330

ファーストエイド・サプリメント

 

273

浄水器 

SAWYER mini

82

熊対策 フードキャニスター 22×32cm

 

1133

熊対策用

カウンターアソルト

400

トイレスコップ

 

50

バックパック

モンベル・エクスペディションバッグ70L

1745

ウェストポーチ

カメラ用 グラナイトギア

85

マット

カスケード ソーライト

360

テント

アライ・エアライズ1(軽量改造タイプ)

1395

ヘッドランプ

BD(スペアバッテリー込み) 

120

シュラフ

モンベル#1 

1050

シュラフカバー

タイペックス(自作)

185

食器、箸

箸、スプーン

30

ナイフ

レザーマン ジュースS4

120

水筒

ザックタイプ2.5L ペットボトル500cc2本

100

防水バッグ

着替え、シュラフ用、貴重品用3個

150

ソーラーパネル、携帯電話、スマホなど

GSS-1004B

640

カメラ

カメラNikonAW130 SONY DSC-RX100 バッテリー三脚

830

地図

マップケース マップ

200

GPS

Garmin Oregon450t リチウムバッテリー込

220

筆記用具・その他

パスポート・財布など・日本手ぬぐい

300

合計

10155

 

 

 

 

U. 衣類(キャンプ・その他)

装備名

備考

重量(g)

レインウェア

パタゴニア&モンベル・トレントフライヤーパンツ

624

ダウンジャケット

ムーンスター・マイクロタイプ

270

キャンプ&渡渉シューズ

パタゴニア Activist

427

ソックス

ウール 1足

55

パンツ

ファントラック カミノパンツ

318

タイツ

パタゴニア(厚手) 1着 キャプリーン2 1着

353

インナーショーツ

パタゴニア 1着

70

Tシャツ

キャプリーン1 1着

130

長袖Tシャツ

キャプリーン2 1着 マイクロフリース 1着

461

アイゼン

モンベル・チェーンスパイク

364

保温キャップ

パタゴニア

63

合計

3135

ベースウェイト 13.3kg

 

 

V 食料(補給2回で1回分の重量想定)

装備名

備考

重量 (g)

食料

10日分

6000

1.5L

1500

JETBOILガス 2301 1001

現地購入

560

合計

 

8060

 

W. 衣類(行動中)

装備名

備考

重量(g)

シューズ

トレッキングシューズ サロモン COSMIC 4D 2 GTX

830

ソックス

ウール 1足

70

スパッツ

モンベル。ライトロングスパッツ

164

スポーツタイツ

CW−X

227

インナーショーツ

ファイントラック スキン 1着

40

時計・コンパス・気圧計

PROTREK

72

Tシャツ

キャプリーン1 1着 フラッドラッシュスキン 1着

182

長袖Tシャツ

パタゴニア ウール 1着

153

ショーツ

マムート

350

マルチジャケット

ファイントラック ヴェロキラップTMジャケット

190

ストック

SINANOカーボン(スノーバスケット)

440

手袋

MontePuro 滑り止め付フリース

43

キャップ

パタゴニア

65

サングラス

オークリー

35

合計

2861

主な装備画像
細かな物は表を参考にしてください。


バックパック モンベル・エクスペディションパック70(細かな部品を外し62gの軽量化)


トイレ用シャベル。水場から30m以上離れ、掘って処理です。北米では必須アイテム。


今回使用するのはSAWYERの超小型浄水器。フィルターの洗浄もできるので38万リッター浄水可能。


熊でも壊されないフードキャニスター。ヨセミテではこれを持参せねばなりません。


カウンターアソルト。唐辛子成分のスプレー。強烈な刺激臭で熊を撃退できるはず!出来てほしい・・・


撮影機材。予備も含めて2台とスマホ。バッテリーはソーラーで供給します。


ソーラーシートとモバイルバッテリー。丸められます。


GPS。知人の息子さんが歩いたJMTのトレイスが残っている。峠はすべて雪なのでルートは無いでしょう。その時は頼ります。


防水仕様のヘッドランプ。バッテリーは高価なリチウムタイプ。


モンベル・チェーンスパイク。これで対応可能な雪状態であって欲しい。